社内環境改善
採用した社員を、しっかりと育成し定着させるためには、現在では社内環境が非常に重要になってきています。具体的には、どのようなことを行う必要があるのでしょうか?
・オペレーションの改善
中小企業の製造業などを訪問させていただくと、作業オペレーションの不備が多く見受けられます。例えば、作業導線が長いとか、作業を行う体勢が悪く無駄に体に負荷が掛かってしまうなど・・作業導線が数歩違うだけでも、1日行えば大きな差が出てきます。また、同じ作業ばかりではなく、いくつかの作業をローテーションするだけでも、緊張感や気分転換などができ、作業が効率的に行えるようになります。
・コミュニケーションの活性化
うまくいかない会社を見ていると、社内コミュニケーションに問題があるケースが多く見受けられます。そのため、会社内(部署内)で定期的に1対1で面接を行ったり、先輩社員をメンターにつけて定期的に相談できる体制をつくることも必要になってきています。また、会社内(部署内)でコミュニケーションが取れる活動(食事会・社員旅行など)も定期的に行うことも社内コミュニケーションの活性化に繋がると思われます。それでも、元々コミュニケーション自体が苦手な社員も現在では多くなっているため、コミュニケーション・ストレスマネジメントなどのセミナーなどを行い、社員間での認識の統一を図ることで、円滑なコミュニケーションが行える土壌を作ることが重要になってきています。
・社内評価制度の見直し
現在の若手社員の特徴として、自分自身がどのように評価されているか?を非常に気にする傾向があります。(評価・承認欲求が強い)そのため、自分自身の評価が不透明だったり、公平でなかったりすると、すぐに不満がたまります。そのため、社内評価制度の見直しを行い、自分自身の仕事の成果が正当に評価されるような制度の導入が必要になってきています。そのことが、働く社員のモチベーションアップにつながります。最近では、直接の仕事の成果だけでなく、日頃の社員間でのやり取りなども評価の中に取り入れる仕組みなども出てきています。前述の社内コミュニケーションと評価制度を連動させているものになります。それぞれの会社に合った評価制度の導入をおススメ致します。
・メンタルヘルスケアの導入
最近の社員の退職までの流れの中で、非常に多くなっているのは、仕事のストレスでメンタルの不調をきたして退職してしまうケースです。うつ病などの精神疾患を発症してそのまま退職するか、一旦休職して復職するものの、やはり対応できずに退職してしまいます。社内でこうした事態が起こると、様々な弊害が生じることになります。
社内で求職者が出ることで、残された社員に負荷が掛かります。更に、うつ病になった社員などが出ると、誰の責任か?と犯人探しが始まったりもして、社内が険悪で重い雰囲気になります。
現在は、労働者が50名以上の事業所には、ストレスチェックが義務付けられています。可能であれば、50名以下の事業所でもストレスチェックを行い、ストレスチェック後のフォローアップの研修を行うなどのメンタルヘルスケアが必要となっています。
雇用環境改善
・残業時間の削減など、勤務時間の明確化(見える化)
働き方改革の一環として、残業時間の撲滅・削減をする会社も多くなっています。更には、一定の人物に残業が偏ってしまわないように、勤務時間の明確化(見える化)を行うことが必要になってきています。残業するのが当たり前になっている会社でも、意識改革はもちろんのこと、社内ルールとしての残業時間の削減が必要になっています。終業時間を決めて仕事をすることで、ムダ・ムラ・ムリを省き、より効率的な仕事を行う風土作りにもなります。
・福利厚生制度の見直し
福利厚生制度と聞くと、大手が行うもので中小企業には関係ない!と思う経営者の方もいるかもしれません。しかし、現在では、中小企業でも福利厚生制度を導入していないと、社員採用時に人材確保が難しくなってしまいます、何故なら、働く人が会社を選ぶ際の条件として、福利厚生制度も選択肢の一つに入っているからです。福利厚生制度が無い=社員を大切にしていない という見方をする人も多いため、中小企業でも福利厚生制度の導入・見直しが必要になります。福利厚生制度というと、何か大掛かりな準備が必要と思われますが、現在では一人、一カ月数百円で入会できて様々な福利厚生サービスを受けられるものも多くありますので、これらを選択してもいいかも知れません。後は、誕生日休暇を与えたり、既婚者の場合では奥様やお子様の誕生日休暇を設定したりと、お金を掛けずにできる福利厚生もありますので、会社の風土にあった福利厚生制度を導入することをおススメ致します。何よりも、福利厚生制度を導入することこそが、何よりも重要になります。