人材定着の重要性
人手不足の状況化にあると、どうしても人を採用することばかりに目がいってしまいます。しかし、大切なことは、せっかく採用した社員を辞めさせないことなのです。
今、大学卒業して3年以内に離職する割合は、30%を超えています。つまり、約3人に1人は3年以内に会社を辞めてしまっているということになります。1年間正社員を雇用すると、給与・賞与+社会保険料を合わせると、400万円以上の費用が掛かっているのです。
一般的に、正社員として会社に対して利益をもたらすようになる3年目より前に離職されてしまうと、極端に言えば、年間400万円のロスになってしまうということです。
400万円の経費=利益と考えれば、中小企業の利益率(3.5%)と考えれば、その利益を出すために、1億円以上の売上が必要になるのです。こう考えていけば
従業員の離職は、企業にとっては致命的になりかねない!
ということなのです。
会社を辞める理由とは!?
実際の退職理由の一例は下記のようになっています。
・仕事内容が合わない
・労働時間、休日、休暇の条件
・人間関係
・給与
・ノルマ、責任が重い などが代表的なものになっています。
どうすれば社員の定着率が向上するのか!?
退職理由を見れば、会社側が環境と整えるものと、入社後のスキルアップを必要とするもの、社員の意識づけやモチベーションに繋がるものがあると思われます。
・会社側が環境を整える必要があるもの
現在、働き方改革に代表されるように、仕事に関する環境は大きく変化しています。中小企業とは言え、これらに対応していく必要があります。働く側の求める環境に対して、会社側が環境整備していくことも必要になります。休日の整備や、残業時間の削減、有給休暇が取得しやすい環境。風土作りなども必要になってきます。こういう環境を整備することで、新入社員や中途採用した社員の定着率が大きく向上してくると思われます。
・入社後のスキルアップが必要なもの
退職理由の大きなものに、職場の人間関係が挙げられます。人間関係がうまくいかずに大きなストレスを抱えてしまい、最悪の場合は精神疾患を患い退職に繋がってしまうケースが多く見受けられます。そのため、入社後に、コミュニケーション・感情のコントロール・ストレスマネジメントなどを学ぶ必要があります。ある意味では、人間関係が円滑にいくことで、離職を減らすことができ、定着率を大幅に向上させることができます。そのため、社員に対して、学ぶ機会を会社側が提供することが必要になってきています。
・意識づけやモチベーションアップに繋がるもの
入社してから、ひたすら作業ばかりしていたり、自分がどこを目指しているか?など目標が無かったりする状態では、人は頑張ることができません。そのため、目標設定やそれに対する評価などをしっかりと行う必要があります。やる気を無くしたり、モチベーションが下がり離職に繫がるケースは、入社後、ある程度仕事を覚える=会社としての戦力になりつつある!状態で起こることが多くなります。その防止のために、しっかりと目標設定を行い、その目標に向けての面談を行ったり、進捗についてのフィードバックを行なっていただきたいと思います。
つまりは、社員が行う仕事の目標を明確化し、それが達成できたかどうか?に対して、しっかりと評価を行う。また、どうすれば、自分が評価され、その結果として昇給や昇格などができるかが明確であることが、働く側のモチベーションを維持することができ、職場に定着することができると思います。